No.103 保存車現況報告in緑木 2014(16.11.01掲載)

緑木検車場には、地下鉄・市電の車両のほかにニュートラムの車両も保存が行われています.

このうち、地下鉄の旧100形105号車がドラマのロケ企画と連動する形で3月23日に特別公開されたほか、11月9日に行われた市営交通フェスティバルでは、すべての保存車の公開が行われました.

今回はこれまでの現況報告では紹介しなかった地下鉄旧100形105号車とニュートラム100系105-06号車、市電保存館に保存されている5号車、散水車の25号車の計4両を紹介します.

105号車用に作られた車両保存館にて保存されている地下鉄の旧100形105号車です.105号車は地下鉄が開業した1933年に田中車輛(現・近畿車輛)にて製造、1969年に引退する際に地下鉄創業当時の車両として保存車に選定されて、復元工事を行ったのち保存を開始.また、2005年以降は市電の各車とともに検車場公開に合わせて一般公開されるようになり、昨年5月には地下鉄80周年を記念して市役所前に展示が行われましたが、この際に雨漏りなどの腐食が一気に進行したことから緑木帰還後に修繕を実施.修繕に合わせて車体の再塗装も行われ、昨年11月の公開で再塗装後の姿がお披露目されています.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車の台車です.台車については製造当初から仕様されていた住友製の台車(AS-1)をそのまま装備しており、昨年の修繕に合わせて台車のほうも再塗装が施されたほか、台車を製造した住友グループの社章も台車に残されています.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車側面のサボ受けです.保存開始以来、長年に渡ってサボ受けには開業当初の営業区間だった梅田−心斎橋間を示すサボが取り付けられていましたが、ドラマロケの際に時代考証の関係から天王寺延伸後のサボへと架け替えが行われ、ロケの終了後もそのままの状態で保存されています.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車の車内です.車内のほうは35年に渡る現役生活の中で多少の手は加えられたものの、保存開始の際に復元が行われて新製時の姿をほぼ復元することに成功.車両の痛みが進んでいることから、現在は座席やつり革に触ることができなくなっていますが、概ね良好な保存状態を保ち続けています.
14.03.23 / 緑木検車場

つり革と照明・広告スペースの様子です.つり革は復元改造の対象から漏れたため現役晩年のものがそのまま残されていますが、照明については新製当初のまま改造されずに廃車されているため、オリジナルの照明として現存しています.また、広告スペースについてはドラマのロケ収録時に、1945年当時を模した広告風のサインが取り付けられており、現在も車内の至るところでドラマで使用された広告を見ることができるようになっています.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車の車端部に取り付けられている次停留所表示機です.現在残されているものは復元改造時に新調された模造品で、オリジナルの表示機は次の停車駅をランプで点灯させる行灯式の案内が行われており、現在の案内表示機に通ずる当時としては非常に画期的な案内でした.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車の運転台付近の様子です.運転台付近は立ち入りができずに締め切られていますが、マスコンやブレーキハンドルは取り付けられたままの状態で残られているほか、計器類も現在の車両に存在しているスピードメーターが取り付けられておらず、当時の様子が伝わる運転台となっています.
14.03.23 / 緑木検車場

105号車と同じ車両保存館で保存が行われてるニュートラム100系の105-06号車です.105-06号車はニュートラム開業に先立って1980年に製造され、開業当時に登場した1次車としては最後まで残った車両のうちの1両として1997年まで活躍.廃車の際にニュートラム開業当初の車両として保存車両に選定され、スペースに余裕のあった緑木の車両保存館にて保存が行われています.
14.11.09 / 緑木検車場

105-06号車に取り付けられているタイヤです.ニュートラムは新交通システムを採用しているため、通常の台車ではなくバスなどで見られるゴムタイヤを採用.新製当初はウレタンタイヤを取り付けていたものの、のちに写真の空気タイヤに取り換えが行われ、現在は廃車時のタイヤを装備した状態で保存されています.
14.11.09 / 緑木検車場

105-06号車の製造プレートです.製造プレートのほうは地下鉄の様式を踏襲したため、形式・定員・自重・製造年月の表記が地下鉄の車両に倣う形で記載されていますが、プレートの色に関しては地下鉄の青色に対して水色のプレートが採用されるなど、独自色を出したプレートがそのままの形で残されています.
14.11.09 / 緑木検車場

105-06号車の車内です.車内のほうは運転台周辺の仕切りや座席のモケットなど、ステンレス製の車体に移行した3次車以降とは異なる車内の様子がそのまま残されているものの、車体長の関係で車内に立ち入ることはできず、保存開始以来一度も車内の一般公開が行われていない状態での保存となっています.
14.11.09 / 緑木検車場

市電保存館にて保存されている二階付電車の5号車です.5号車は1953年の市電50周年を記念して製造された模造車で、模造車という車両の特徴から一般の営業運転に就くことはありませんでしたが、かつて走っていた二階付電車を彷彿とさせる姿をしていたことから市電全廃時に保存が決定.営業運転に就いていた他の車両とともに市電保存館で展示が行われています.
14.11.09 / 緑木検車場

5号車の二階に登るためのらせん式階段です.階段の段差が急なうえに模造車の性格上、車体構造が頑丈ではないことから早い段階で立入禁止の措置が取られており、車内の公開が行われていた当時から二階には登ることができないようになっていました.
14.11.09 / 緑木検車場

5号車の車内の様子です.5号車そのものは模造車だったものの、つり革や座席も含めて他の車両と遜色のない仕様で取り付けが行われましたが、車両状態が悪いことから2008年の一般公開時から二階に続いて立入禁止措置を実施.同じく老朽化が進む30号車などの保存車とともに、現在は立ち入ることができなくなっています.
14.11.09 / 緑木検車場

5号車の運転台です.5号車自体は開業直後の車両をモデルとしていましたが、戦後に製造された車両ということで運転台周辺の機器は当時製造された車両に近い形をしており、明治期の車両には装備されていなかった近代的なブレーキハンドルが備わっています.
14.11.09 / 緑木検車場

5号車とともに市電保存館にて保存されている散水車の25号車です.25号車は1926年に新製された市電最後の散水車で、無舗装だった当時の路面に水を撒くことで砂埃が立つのを防ぐ役割を果たしていましたが、路面の舗装化が進んだことで1954年に廃車.以後数年間に渡って解体保留となっていたものの、保存車に選定された際に散水可能な状態に復元が行われ、路面電車の事業用車両としては非常に珍しい保存車両として、市電の各車とともに市の有形文化財に指定されています.
14.11.09 / 緑木検車場

25号車のトロリーポールです.保存スペースの都合上、架線の高さにポールを上げると隣接する528号車と接触するため、市電保存館への収納に際してトロリーポールをかなりの高さまで上げた状態で固定されています.
14.11.09 / 緑木検車場

25号車の運転台付近の様子です.マスコンともにブレーキハンドルも取り付けられていますが、空気圧やスピードメーターなどの計器類は運転台周辺には一切無く、同じく計器類が運転台に存在していない30号車とともにシンプルな運転台が残されています.
14.11.09 / 緑木検車場

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