No.67 保存車現況報告in緑木 2012(14.02.09掲載)

大阪市交では退役車両の保存が積極的に行われており、緑木検車場内には地下鉄・市電の車両が9両保存されています.

市電車両のほうは廃車後に一部車両が広島電鉄や南海電鉄に渡った1601形も保存車として選定され、1644号車が検車場内の市電保存館にて展示を実施.

また、地下鉄の車両では30系セミステンレス車のトップナンバーとなっている3062号車に加え、2011年からは未更新車のまま廃車となった10系・1104号車のカットモデルも保存車となっています.今回は以上の3両の保存状況を詳しく紹介します.

市電保存館にて保存されている1601形の1644号車です.保存車となっている1644号車は1699号車として1929年に新製され、戦時中に被災したものの復旧改造・改番を経て営業運転に復帰.1966年に廃車となりましたが、戦災復旧車だった経歴から保存館の展示車両として選定され、南海電鉄移籍後に保存車となった1639号車(元南海モ121形130号車)とは異なり、市交で活躍していた当時の面影を色濃く残した姿での保存となっています.
12.11.11 / 緑木検車場

1644号車の車内の様子です.1644号車は廃車当時の姿で保存が行われていることから内装のほうも基本的に現役当時のままで、木張りの床面や赤色のモケットなども手を加えられずにそのまま残されていますが、保存開始から40年以上が経過し老朽化が進行しつつあることから、2007年当時と同じく座席には座ることができない状態となっています.
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1644号車のつり革です.つり革や鎧戸など現役当時の姿を留めているものの、長年の保存に伴いつり革へのぶら下がりがすでにできなくなっているほか、鎧戸のほうも固定処置を受けて自由に操作ができないようになっています.
12.11.11 / 緑木検車場

車内に残されている1644号車の車番表記です.車番表記は運転席背後の仕切り板に書き込まれており、廃車当時に使用されていた地下鉄・市電の路線図や禁煙プレートもそのままの姿で残されています.また、運転席の部分には最終定検時の検査票や方向幕も残され、方向幕については以前は手動で行先を操作することができましたが、幕の破損を防ぐためか2009年の一般公開時より大正橋の幕で固定されています.
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運転台の様子です.マスコンやブレーキレバーは取り付けられたままの状態で保存されており、実際に手でマスコンを動かすこともできるなど、車両の老朽化が進む中で比較的良好な状態で保存されています.
12.11.11 / 緑木検車場

検車場内のピットにて保存されている30系3062号車です.3062号車は1967年に7000形7001号車として製造され、市交初のセミステンレス車として谷町・中央線で営業運転を開始し、その後は30系に編入ののち3094・3062と2度の改番を経て四つ橋線用車両として1993年まで現役で活躍.トップナンバー車だったことを理由に廃車後は緑木検車場にて保存が行われ、当初は野外にて展示が行われていましたが、2009年からはピット内に3062号車専用の展示スペースが設けられており、現在は車内照明なども点灯した状態で公開されるようになっています.
12.11.11 / 緑木検車場

一般公開に合わせて公開されている3062号車の制御装置です.制御装置の公開は当初行われていませんでしたが、展示用車両としての再整備に伴い2010年の公開時より現役時代と同じく制御装置を操作できるようになり、「運転操作コーナー」として抵抗制御の実演が可能な状態まで保存状況が向上しています.
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3062号車の車内です.車内のほうは廃車当時の姿のまま手を加えられておらず、30系未更新車の内装をそのまま残しているほか、車内広告のほうも取り外されることなくそのまま残存しており、現役晩年の30系の姿での保存となっています.
12.11.11 / 緑木検車場

30系に取り付けられているつり革と車内照明の様子です.照明については保存開始当初は自力点灯ができませんでしたが、2010年の整備後は現役車両と同じく照明の点灯ができるようになりました.また、つり革のほうは広告枠を含めて廃車当時のものがそのまま取り付けられており、他の車内内装とともに現役当時の姿を留めています.
12.11.11 / 緑木検車場

3062号車の運転台です.運転台のほうも車内と同じく廃車当時の姿がそのまま残されており、展示開始当初は運転台に座ってマスコンを操作することができましたが、10系1104号車のカットモデルが登場した2011年以降はそちらに運転席体験コーナーの役割を譲り、現在は完全に締め切った状態での展示に移行しています.
12.11.11 / 緑木検車場

3062号車に搭載されている方向幕の対照板です.方向幕も廃車当時に使用していた白字・ローマ字無しのものがそのまま搭載され、こちらも当初は自由に幕を動かすことができましたが、運転台に立ち入れなくなった現在は年によって方向幕が固定されており、2012年は入庫運用で使用された北加賀屋幕で展示が行われていました.
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2011年より保存車両に加わった10系1104号車です.10系は市交初のチョッパ制御車として登場し、1104号車は1979年の新製時より一貫して御堂筋線の車両として活躍.更新対象から漏れた1104号車は2011年に廃車され、最後まで残った未更新の編成だったことから1104号車が保存対象となりましたが、財政難のためかカットボディでの保存となっています.なお、方向幕などの装備は廃車当時の姿のままで、3062号車に代わって運転席体験に使用されているほか、ヘッドライトも点灯可能な状態で保存されています.
12.11.11 / 緑木検車場

側面から見た1104号車です.屋根上の冷房搭載スペースで車体の切断が行われたため、運転席の背後にある車番プレート類は取り外されることなくそのまま残されており、現役当時の姿を偲べるアイテムのひとつとなっています.
12.11.11 / 緑木検車場

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