No.79 行灯型標柱現況報告 2013(14.12.01掲載)

市バスの停留所は時代に応じて様々な種類の標柱が取り付けられてきました.

行灯型の標柱は夜間でも案内を見やすくする目的で1966年に登場.以降、都心部の停留所を中心に整備が進められ、1990年代には市内全域に設置されるようになりました.

ところが、バス事業の財政状況が厳しくなったため、広告一体型の標柱が本格導入された2008年頃を境に新規整備をストップ.近年は照明などの維持費用も経費削減の対象とされて電照機能を停止した標柱も出て来るなど、バスロケ型標柱とともに先行きが危ぶまれる存在となっています.

(写真はすべて2013年初夏に撮影)

1970年代前半に登場した先々代の行灯型標柱です.この型の標柱は乗客数の多かった都心部の停留所を中心に整備が行われ、バスロケ型標柱が登場したあとも引き続き主力の標柱として設置が続けられてきました.1990年代以降は老朽化の影響で標柱の置き換えが進み、2013年初夏の段階で現存数が一桁まで減少しているほか、行灯型標柱の持ち味だった電照機能のほうもすでに停止されています.
谷町二丁目

先々代の行灯型標柱に残されている当時の市バスピクトグラムです.路線バスを模したピクトグラムは現行と同じですが、1970年代に採用されていた2世代前のものが現在まで残されているほか、1970年代後半の路線再編で廃止・縮小された都心を走る系統(谷町二丁目停留所の場合は旧10・22・臨22号系統)の案内を剥がした跡が残っていることも、この標柱の特徴となっています.
谷町二丁目

大阪駅前のおりば用として使用されている先々代の行灯型標柱です.標柱の形自体は1980年代に入ってからも変化はありませんでしたが、時代の変化に合わせてアクリル板の材質や市バスのピクトグラムなどが新しいものへと変更されています.なお、後期設置分の標柱に関しても撤去・交換が進んでおり、こちらのほうも現存数が10基を切る状況となっています.
大阪駅前

1990年代から2000年代前半にかけて市内全域で取り付けが行われた旧型行灯型標柱です.この年代に入ると市営交通のサービス水準向上を目指す一環として、バスロケ型標柱とともに行灯型標柱の整備が一気に進められ、正四面体を基本形として派生型の標柱も登場しました.写真は基本形の行灯型標柱で、乗客数がある程度多い停留所を中心に現在も多くの標柱が現存しています.
北野高校前

歩道側から見た先代行灯型標柱です.設置当初は行先表示の部分に系統番号を記したうえで停留所周辺の路線図も標柱に用意されていましたが、系統番号案内は2002年のゾーンバス廃止時、路線図のほうも頻繁に路線再編が実施されるようになった2008年頃に撤去が行われ、現在は簡易型標柱とさほど変わらない設備内容となっています.
北野高校前

設置スペースの狭い停留所用に作られた幅広式の行灯型標柱です.自転車通行帯などの都合で基本形の行灯型標柱が設置できない場合は、写真のように横幅が広く取られた標柱が取り付けられています.また、このタイプの標柱に限らず、先代の行灯型標柱はバスロケ型標柱に移行する形で撤去されたものも少なくなく、他の停留所から流用して設置される事例も多く見られました.
清水二丁目

歩道のスペースが狭く、系統数も少ない停留所を中心に設置が行われた簡易式の行灯型標柱です.こちらのほうも横長の標柱となっていますが、幅広式とは異なり基本形の標柱から縦幅を圧縮して標柱のスペースを削っており、従来の標柱では設置ができなかった停留所にも行灯型標柱の設置ができるように工夫が施されています.
住吉市民病院前

後期製造分の先代行灯型標柱です.2000年代に新製された行灯型標柱については形状の一部見直しが行われており、標柱の上下にあった凹凸式の飾りを無くして造りがシンプルなものへと変化しているほか、簡易式の行灯型標柱についても同様のマイナーチェンジが施されています.
地下鉄出戸

先々代行灯型標柱の置き換えを目的として、2004年頃から取り付けが行われた最終タイプの行灯型標柱です.この頃に入ると重点整備の対象をバスロケ型標柱へと比重を移していたため、停留所名の表記部分をポール型標柱と同じものを取り付けることで大幅なコストダウンを行い、照明維持費を最小限に抑えつつも行灯型標柱の機能は維持しようとする工夫が施されています.
地下鉄西長堀

歩道側から見た最終タイプの行灯型標柱です.古い行灯型標柱が残存していた停留所への設置に的を絞っていたため、表示スペースのほうも1系統分しか確保されていませんが、設置当初は新旧の行灯型標柱が併存していた事例も見られたほか、赤バスの停留所が併設された際には時刻表の表示スペースが足りず、真横に赤バス用の簡易型標柱を建てる停留所も過去に存在していました.
地下鉄西長堀

なんばバスターミナルのおりばに1基のみ残る市バス最古の行灯型標柱です.この標柱は1966年に設置が開始された初代のもので、当時は通常ののりばにもこの標柱が取り付けられていましたが、当時は行灯の部分に時刻表を貼りつけていたため背の低い人には不便だったために、設置から5年ほどで姿を消していきましたが、現在もなんばバスターミナルのおりばに当時の行灯型標柱が残されており、照明機能は停止されているものの現役で使用されています.
なんば

近鉄八尾駅前停留所のみに見らえる近鉄式の行灯型標柱です.近鉄八尾駅前に関しては近鉄の営業範囲に市バスが乗り入れる形となっているため、バスターミナルのほうも近鉄主導で作られている都合上、市バスののりばにも近鉄と共通の行灯式標柱が取り付けられており、他の行灯型標柱が新しいものに置き換えられたあとも市バスのりばのみ古い標柱が使用されています.
近鉄八尾駅前

都心部を走る3号系統(現・103号系統)が復活した際に御堂筋の景観に合わせて、道修町〜道頓堀橋間の5停留所のみに取り付けられた行灯式標柱です.外観のほうは御堂筋の木々に調和する目的で茶色ベースのものが採用されているほか、系統数も多くなかったことから市バスでは珍しい縦長式での標柱となっています.
道頓堀橋

日本宝くじ協会と公営交通事業協会によって寄贈された行灯型標柱です.形状そのものは当時の簡易式に近く、市バスでは系統数の少なかった南港南五丁目と南港渚小学校前の2ヶ所に寄贈された標柱が設置がされています.また、公営交通事業協会の寄贈によって取り付けられる標柱であることから、京都市バスや名古屋市バスなど全国の公営事業者にも同様の行灯式標柱を見ることができることも特徴となっています.
道頓堀橋

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