No.94 大阪府都市開発事業動向 最終報告(16.03.16掲載)

泉北鉄道線を運営していた大阪府都市開発が、6月末をもって大阪府の第3セクターから解消されることになりました.

府都市開発は1965年に開設.泉北高速鉄道のほかにトラックターミナルなど物流事業の運営を手掛け、長年黒字を確保し続けてきました.

しかし、2008年に橋下前知事(現 大阪市長)が都市開発の株式売却を示したことで府の撤退方針が決定.最終的には大阪市側の交通局廃止・将来的な関与解消に先駆ける形で株式売却が承認され、大阪ガスなど他社が保有していた株とともに南海電鉄への随契譲渡が決定しました.ここでは府の運営撤退直前の様子を紹介します.

泉北高速線の主力形式だった7000系です.7000系は1996年から製造が開始され、派生形式の7020系と合わせて10年以上に渡って増備を継続.末期は減便に伴う3000系の余剰廃車が続いたことで日中運用の大半が7000系列で占められるようになったほか、朝晩のラッシュ時には編成同士を併結して8両編成として運用されていました.
13.11.24 / 沢ノ町−我孫子前

1990年から製造された5000系です.5000系は輸送力増強目的で投入された8両固定編成で、3000系までの無塗装ステンレス車から白ベースの塗装を施したアルミ車への転換を行ったことが大きな特徴でしたが、その後の乗客減少に合わせて2005年のダイヤ改正で昼間運用から撤退.以降は輸送力を必要とする朝晩のみの運用となっていました.
14.05.18 / 浅香山−我孫子前

泉北車の車内の様子です.写真は7000系のもので、3000系までの車両は当時の南海車と大きな差異のない内装でしたが、5000系以降は泉北独自の内装設備へと転じ、7000系列では混雑対応目的で枕木方向の手すりの設置や最終増備となった7020系では大型袖仕切りを採用するなど、当時の首都圏私鉄の車両に近い内装が特徴でした.
14.06.15 / 和泉中央

泉北高速線のホーム端に設置された立入禁止用のフェンスです.ニュータウンから都心へと乗り入れる路線の性格上、平日のラッシュ時には10両編成で走る列車がかつては多数設定されていましたが、ニュータウンの成熟に合わせて設定数が減少して2013年をもって10連運用が消滅.その後は危険防止の目的で使用されなくなったホーム端の部分をフェンスで閉鎖し、乗客減少を象徴させる光景となっていました.
14.06.15 / 光明池

泉北高速線の駅名表です.車両と同じくサインシステム類も乗り入れ先の南海電鉄の影響を強く受けており、日本語のフォントはゴシック4550、英語のフォントもアリアル(Arial)とフォントも南海に合わせたものが使用されていたほか、駅ナンバリング対応時には管轄全駅で4ヶ国語表記の駅名標への交換が行われていました.
14.06.15 / 光明池

泉北車の拠点となっていた光明池車庫です.光明池車庫は泉北高速線の光明池延伸に合わせて1977年に開設され、のちに検車機能も南海委託から自前で行うようになりましたが、南海への完全子会社化に伴い両社の重複機能の整理が行われることも今後予想され、3セク解消後の比較的早い段階で規模縮小などの影響を受ける可能性が出ています.
14.06.15 / 光明池車庫(敷地外から撮影)

光明池車庫の正門前に掲げられていた銘板です.泉北高速鉄道用の鉄道章や光明池車庫の表記とともに、旅客案内上では使用されていなかった大阪府都市開発の社名がここではきちんと記載されていました.しかし、3セク解消に合わせて正式な社名が大阪府都市開発から泉北高速鉄道へと変更されることが発表されたため、都市開発の名前が入ったこの銘板も撤去される見込みとなっています.
14.06.15 / 光明池車庫

府都市開発が運営していた東大阪トラックターミナルです.鉄道事業とともに物流事業も都市開発の主要事業として扱われ、東大阪(東大阪市本庄)と北大阪(茨木市宮島)の2ヶ所に流通センターを設置.府の3セク解消の際も両事業を一体で運営することを条件として売却されることになったため、流通センターについても南海の傘下に収まることが決まっています.
14.06.07 / 東大阪トラックターミナル(敷地外から撮影)

集配センターの銘板に記されていた府都市開発の社章です.都市開発としての正式な社章は社名の頭文字からを取ったOTKを図案化したものが採用されていたものの、鉄道事業については社章とは別に鉄道章として専用のロゴが使用されていたため、OTKの社章を鉄道ファンが見かける機会はほとんど無く、社章そのものも3セク解消に合わせて使用中止となるものとみられます.
14.06.07 / 東大阪新集配センター

府都市開発の3セク解消後も当面は引き続き大阪府が株を保有し続ける北大阪急行電鉄です.北大阪急行については箕面市方面への延伸を今後控え、都市開発の3セク解消で得た売却益を延伸区間の建設費用として一部投入するほか、延伸後は都市開発に続く形で3セクを解消する方針もすでに示されており、地下鉄新会社の将来的な株式売却とともに大阪府市の交通事業撤退を前提とした動きは今後も続く見込みです.
13.11.30 / 桃山台

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