No.96 保存車現況報告in森之宮 2014 -前編-(16.06.01掲載)

大阪市交の保存車は、緑木検車場以外に森之宮検車場にも地下鉄・市電・トロリーバスの車両が計6両保存されています.

森之宮検車場は普段一般公開が行われていないため、森之宮に眠る保存車たちを間近に見かけることはできませんが、市交110周年を記念した招待者限定の保存車両特別公開が8月24日に行われ、地下鉄75周年記念イベントが行われた2008年以来6年ぶりの公開が行われました.

今回の現況報告では前編・後編に分けて、前編では50系5085号車・30系3008(3042)号車・60系6014号車の現況を詳しく紹介します.

Special Thanks / Daiimu様(Amusant Railway)

森之宮検車場で保存されている50系の5085号車です.5085号車はユニットを組む5585号車とともに1965年にナニワ工機(現 アルナ車両)で製造され、御堂筋・四つ橋線用として我孫子に配属されたのち1970年に森之宮へと転属.最晩年は千日前線用の車両として活躍し、1994年の50系引退時まで走り続けたことから5085号車が保存車として選定.当初は千日前線時代の姿で保存されていましたが、2011年に新製時の姿への復元が行われ、ATCの取り付けで縮小されていた前面窓の復元も併せて実施されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

車体側面の製造表記プレートです.プレートのほうも保存当初は千日前線で走っていた当時の姿で保存されていましたが、外観復元の際にプレートの修復も同時に行われ、こちらも新製時に近い姿へと変わっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

5085号車の車内です.車内のほうは千日前線の姿を色濃く残しており、50系の特徴だった3列に並んだ蛍光灯や緑色のモケットなどもそのままとなっているほか、広告のほうも引退時に掲出されていたものがそのまま残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

車端部付近の様子です.車端部には貫通扉が当初取り付けられておらず、ユニットを組んでいた5585号車と直接行き来ができる状態となっていましたが、暖房を搭載する際に30系後期車などで採用されていた貫通扉を車両間に取り付けることになったため、この際に開口部の一部が埋められています.
14.08.24 / 森之宮検車場

5085号車の戸袋広告付近の様子です.50系には戸袋窓が設置されていたものの、戸袋窓のない30系などと同じく広告スペースが確保されているため、戸袋窓と戸袋広告が共存する珍しい姿が残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

5085号車の運転台です.晩年は千日前線で運用されていたため、千日前線を走行するための車内信号に対応したスピードメーターがそのまま残されています.また、谷町線時代に出力増強改造(90kw→120kw)を受けていた関係で、改造を受けなかった車両との出力の違いを示す注意貼りのシールが運転台に残っています.
14.08.24 / 森之宮検車場

5085号車と同じく森之宮検車場で保存されている60系の6014号車です.60系は堺筋線開業の際に新製された車両で、6014号車は1969年の製造から増結による編成組み換えを経て、1994年に廃車されるまで先頭車として活躍.引退後は森之宮検車場にて保存され、近年に入ってヘッドマークステーが取り付けらたものの、5085号車や3008号車とは異なり外観自体は引退当時の姿をほぼ留めています.
14.08.24 / 森之宮検車場

6014号車に取り付けられている前面方向幕です.天下茶屋延伸時に白地英文字入りの方向幕へ交換が行われ、保存開始後も現役最晩年に使用していた方向幕が取り付けられていましたが、60系全盛時代の姿を再現することを目的に2010年ごろに天下茶屋延伸まで使用していた英文字なしの方向幕へと交換され、現在も新製当時の方向幕が取り付けられたままとなっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

6014号車の製造表記プレートです.6014号車については引退当時の姿のまま保存されているため、こちらのプレートも現役時代の姿のままとなっており、他の保存車では見られない色褪せた局章とプレートとなっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

6014号車の車内の様子です.普段一般に公開されていないこともあって保存状態のほうは良好で、冷房搭載改造を受けることなく引退したために天井周辺や扉の部分が原型を留めているほか、座席のモケットも当時の標準仕様として使用されていたえんじ色のものがそのまま残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

6014号車の運転台です.化粧板などの色調は同時代に製造された30系に似通っていますが、阪急線内を走行するための計器が運転台に用意されています.また、市交線内では当時使用していなかったスタフを阪急線内では使用していた関係で、スタフ受けが運転台の右側に取り付けられています.
14.08.24 / 森之宮検車場

普段は森之宮検車場の庫内で保存されている30系の3008(3042)号車です.3008号車は1968年に製造された市交初のアルミ車で、谷町・中央線に暫定投入されたのち御堂筋線に転用.10系投入時に中央線へ再転用する際に車番が3043号車へ改番され、1994年の引退後も中央線時代の姿のままで保存されていましたが、2009年に登場時の姿へ復元を実施.車番のほうも原番だった3008号車へと戻されたほか、車体洗浄も復元後しばらくしてから行われているなど、前回リポからの6年間で保存状況が大きく変化しています.
14.08.24 / 森之宮検車場

妻面から見た3008号車です.復元作業が行われた当初は中央線時代の側面帯を剥がした跡がそのまま残っていたものの、薬剤による車体洗浄が実施されたことによって車体の汚れが洗い流されたため、外観から中央線時代の痕跡を探すことはかなり困難な状況となっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

3008号車の製造プレートです.プレートのほうは原番復元後も中央線で活躍していた当時のものが残されており、プレートの状態も比較的良かったためか、車体洗浄の際も特に手は加えられずに保存が続けられています.
14.08.24 / 森之宮検車場

3008号車の車内です.車内自体は緑木検車場で保存されている3062(旧・7001)号車と非常によく似た造りとなっていますが、3062号車が7000形からの編入車だったのに対して3008号車は新製時から30系だったこともあって、3008号車のほうが30系の原形により近い姿を留めた車内となっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

車端部の妻面に取り付けられている3008号車のプレートです.保存当初は中央線時代の車番だった3042号車のプレートが取り付けられていましたが、復元時に車内のプレートも3008と書かれたものへと差し替えられたため、現役晩年に掲出されていた広告と新製当初の車番プレートが同居する奇妙な並びが実現しています.
14.08.24 / 森之宮検車場

3008号車の運転台付近の様子です.現役晩年に近鉄線内への直通運転を行っていたことから、同じ30系の3062号車の運転台にはない近鉄線乗り入れ用の機器が用意されているほか、近鉄線内でもスタフを使用していたために、スタフ受けとみられる金具も運転台に取り付けられています.
14.08.24 / 森之宮検車場

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