No.97 保存車現況報告in森之宮 2014 -後編-(16.10.01掲載)

普段は非公開となっている森之宮検車場の保存車6両が、市交110周年記念として8月24日に招待者限定で特別公開が行われました.

前回の現況報告で紹介した地下鉄の保存車以外にも、1969年に全廃された市電や1970年に全廃となったトロリーバスも保存されており、こららの車両も今回の公開で見学することができました.

後編では昨年天王寺車庫跡地で展示された市電2201形2201号車、2008年の地下鉄75周年記念イベント以来6年ぶりの公開となった市電801形801号車、トロリーバスの200形255号車の3両を紹介します.

Special Thanks / Daiimu様(Amusant Railway)

森之宮検車場で保存されている2201形2201号車です.2201号車は2201形のトップナンバーとして1954年に製造され、今里車庫に新製配置.その後、ワンマン対応改造を受けた際に港車庫へ転属し、市電が全廃された1969年に廃車となりましたが、市電初のワンマン車両だったことから保存車両に選定され、朝潮橋の研修施設にて保存されたのち、1988年に森之宮検車場の車両保存館へ移動.昨年特別展示された際に雨漏りなど車体の痛みが進行したことから再塗装も含めた修繕が行われ、修繕を機に車両保存館から検車場内に保存場所が移されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

2201号車の台車です.台車のほうは2201形が登場する前に製造されていた2101形と同じものが採用されましたが、静粛性の向上を目指して防音仕様の弾性車輪に変更.前年に試作された3000形とともに静かな車内をウリにしていましたが、2201形についてはのちに通常の鉄製車輪への変更が行われており、2201号車についても廃車時の鉄製車輪のままで保存されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

2201号車の車内です.昨年の特別公開に合わせて車内の清掃が行われたためか、通常非公開の車内としては比較的きれいな状態が保たれているほか、外装の再整備が行われた際も内装のほうは大きく手を付けられなかったため、廃車当時の内装ほぼそのままの姿で保存されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

2201号車の運転台付近の様子です.車体のほうは近代化を果たした2201号車でしたが、旧性能車から新性能車への過渡期に作られた車両だったため、3001形で採用されたスピードメーターは搭載されておらず、ブレーキレバーのほうも取り外された状態で保存されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

森之宮検車場の車両保存館に保存されている801形の801(804)号車です.801形は1920年から製造された1001号車を車体更新する形で登場した車両で、801号車は1921年に1052号車として製造されたのち1932年に804号車へ改番.路面電車では日本で初めて前中扉を採用した形式だったため、1964年に廃車された際に保存車として選定され、改造第1号の車両が名乗っていた801号車として保存が開始.2201号車と同じく、朝潮橋の研修施設を経て森之宮検車場の車両保存館に移動しています.
14.08.24 / 森之宮検車場

801号車の台車です.台車に関しては種車の1001形からそのまま流用されたため、1001形新製当初のブリル製の台車がそのまま残されており、1001形時代の面影を残す貴重な遺産となっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

801号車の車内です.通常は一般公開されることもなく、森之宮の車両保存館で保存されている市電・トロリーバスのなかで唯一再整備を受けていない車両ということもあって、現役最晩年の姿から手を加えられていない状態を保っているほか、床面などにやや埃がたまった姿となっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

801号車の降車ボタンです.降車ボタンが残された状態で保存されている2201号車や3050号車よりも前に製造された車両ということもあって、ボタンのほうも下から上へと押す旧型のものがそのまま残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

801号車の運転台です.戦前に登場した旧性能車ということもあって運転台周辺は非常に簡素な造りで、計器類はブレーキの圧力計のみとなっているほか、運転台のほうも2201号車と同じくブレーキレバーを外された状態での保存となっています.
14.08.24 / 森之宮検車場

森之宮検車場の車両保存館に保存されているトロリーバスの200形255号車です.255号車は1961年に製造され守口営業所に配属され、1970年のトロリーバス全廃とともに用途を失い廃車に.当初は全車解体される予定だったものの、関係者の保存運動によって255号車が保存車両に選ばれ、1988年からは市電の車両とともに森之宮の車両保存館で保存.保存状態はきわめて良好で、6年前の前回リポ後に再塗装を含めた整備が行われています.
14.08.24 / 森之宮検車場

255号車のエンジンルームです.架線が張られていない区間では通常のバスと同じくディーゼルエンジンによって動く必要があったため、255号車も車体空部にバス用エンジンを搭載.バスのシャーシとしては三菱ふそう製となっており、当時を知る貴重なエンジンがそのままの姿で残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

255号車の車内の様子です.座席配列のほうは前後扉のツーステップバスへ移行する前の市バスに近い姿で、廃車後長年に渡って手付かずの状態で保存が行われていましたが、外観の再塗装が行われた際に内装についても修繕が行われ、修繕に合わせて経年で傷んでいた座席のモケットが当時の柄を再現した新品のものへと交換されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

車体後部から見た255号車の車内です.車内に関しては長年非公開だったこともあって保存状態が非常に良く、公開時には各座席に座れるほか、つり革のほうも触ることができる状態を保っています.
14.08.24 / 森之宮検車場

255号車の運転席です.トロリーバスということもあって機器のほうは鉄道的な要素も含まれてはいるものの、ハンドルやアクセル・ブレーキが運転台に取り付けられているなど、全体的にはバスに近い造りとなっていて、変速機とみられるレバーも運転席の左横に残されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

255号車の前扉付近に取り受けられているアナログ時計です.この時計については市バスでも取り付けられていたアイテムで、時計には市章のみおつくしが印字されているほか、長年保存が続けられたことから時計は機能しておらず、常に10時40分を指した状態で停止しています.
14.08.24 / 森之宮検車場

255号車の降車ボタンです.緑木の市電保存館で保存されている市電3050号車と近接した時代に製造されたことから、降車ボタンのほうも3050号車とほぼ同型のものが取り付けられており、当時の注意書きのほうもそのままの姿で保存されています.
14.08.24 / 森之宮検車場

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